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解説 犬神家の一族 [2002年自閉症カンファレンス講演会]

学校の怪談
その死 犬神家の一族

中一の三学期

三点倒立の実技試験であった。
球技がまったくダメな私が点数を稼げるのはマット運動ぐらいだから必死だ。
授業中にマスターできなかった私は、夜毎ふとんの上で、
母親にモニターしてもらい、頭頂部がへこむかと思われるほどの練習を重ね、
やっとのことでコツを掴み、試験に臨んだのだった。
試験は長いマットの上に、出席番号順に並ぶだけ並ばされ、笛の合図で一斉に倒立する。
私は最初のグループだったが、もちろん猛練習の甲斐あって楽々クリア。

しかし・・・・・・いくらたっても「やめっ!」の笛が聞こえない。
頭に血が昇る、マットはふとんほど柔らかくないので頭頂部は痛む。
いったいいつまでさせるんだろう、おかしい、と思った瞬間、
体育館にあのなじみの不気味な静寂が・・・・・

(あっ、やめっの合図なしなんだ)、私はパッと倒立をやめた。
ところが・・・・目に入ったのは逆さになった足、足、足、・・・みんなは延々と倒立し続けていた。
マットの真ん中であぐらをかいていた教師は、
「誰だっ!勝手にやめるやつは!」と怒鳴りながら立ち上がり、
「おいっ誰がやめろと言った!あっ、この野郎、おまえか
私はもう一度倒立しようとしたのだが、
「やらなくていいっ。そんな態度の悪いやつにはもう点数はやらないっ!」
と、またまたえんま帳に付けられる。
その学期の体育は本当に1だった。

注記:目の上のたんこぶ

   ネットや書籍上の自称発達障害の人達には全員必ず「気に掛けてくれた先生」がいる。

   私達夫婦も子供時代「先生が気に掛ける生徒」だったのだが、ニュアンスは全く違う。
   気に掛けると言うより気に障る、つまり「目を付けられた」が正確な所だろう。


   妻のこのエピソードを繰り返し繰り返し聞いている内に、意図が読めない私でもこの体育教師
   中島悟の意図は何となく分かってきた。(私も同じ様な体験をしてるからね)

   これも現役教師のコメントを聞きたいモノだ。我こそという方どうぞ。


   私の現在の解釈としてはこうだ。
   教師は成績を付けなければいけない。当時は特に1はクラスに二人必ず必要だと言われていた。
   授業中から目星を付けテストに臨む。
   実際やってみると、目星を付けた生徒が意外に出来ている。さて困った。
   生徒に「出来ればOK」とは言ったが急遽耐久テストへ変更だ。

   まってもまってもなかなか落伍しない。おっ、やっと一人。案の定コイツか。丁度良かった。
   殊更大げさに騒いでおくか「コラッ!やっぱりオマエか!」しめしめ、上手く行った。
   

犬神家の一族
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つづく

【自閉症テレビ33】出来ない事



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