解説 徹口演5 [2002年自閉症カンファレンス講演会]
自閉症カンファレンス2002 徹口演5
この話は、カンファレンスでわたしが口演会で話した事です。ブログでも公開したのですが、
再三のブログ強制削除の対象になった文章です。
なぜこの文章を葬りさろうとしたのか今以て謎ですが、改めて読んで見ると、私達のレベルの自閉症
つまりアスペルガー症候群の特徴がギッシリ、濃密に詰まっているのでさらに分かり易く
解説する事にします。
続き
実は、私達も今になって、幼稚園の先生が言っていた意味を今になって考えたり、
小学校で言われた意味が分かることがあるんです。まあ、ながーい目でのんびりやって下さい。
話は変わり、私達2人の内部というか思考について具体的に話したいと思います。
今ここで、私達と言いましたが、同じ障害を診断された2人でも、SAMの欠陥という本質は同じだ
としても、出てくる現象や、感じ方、などは自閉症スペクトラムのあっちのはしとこっちのはしです。
お互い、お互いの表面に出たエピソードを観察、分析しながら、
「ああ、この人は本当に障害が重いなあ」と考え、実際に口にも出します。
その時は、お互いに「ああ、そう」と返事をしながら、「やっぱり重いなあ」と思っています。
だから、どっちが重い論争は、絶対決着しないし、無意味な論争でもあることを示しています。
この私達でも、簡単に一致する所を見つけることは大変難しい作業です。
にもかかわらず、安易に「私達自閉者は・」とか、「私達の心は・・」とか、「私達の気持ちは・・」
なんて、ヒトくくりするのは、人の気持ちを手に取るほど読みとることの出来る、
一般的に「自閉症ではない」と言われる人による、ガセネタだと考えたほうが良いでしょう。
商売の為なら何でも出来る人って居るんですよね。
注記:またニキリンコ
ここでいとも簡単に「私たち」とか「私たちの気持ち」と代弁出来るのがニキリンコです。
当時はまだ私自身明確に解説する術を持たなかったのですが、自分の気持ちを簡単に表現できる
ことこそ。「マインドブラインドネス」自分の心自分の気持ちがモニター出来ない事に矛盾して
います。
この「ニキリンコ」による書籍は「人とチョット違う私」の心を鷲づかみし、共感を呼び
大量の「ニキリンコ型自閉症」が発生しました。本も売れたみたいね。大体自閉症じゃ無いし。
カウンセラーや病院へ行った時、ニキリンコ著の本を探してみて下さい。
待合室で見つける事が出来たら、そこは要注意の場所です。
身体は大きくなっても内部というか、本質は子供のときのまんまです。
逆に言えば、今のまんま子供だったので、いくら身体が小さくともこの内容です。
だから子供の時に大人びた言葉遣いをしたというよりも、やっと見かけのほうが言葉遣いに追いついて
きたと言う感じですね。
生活する上の発見も、小学校4年ぐらいまでは発見が多く、いろいろ憶えたなあって感じですが、
その後は知識が増えただけで、人間的に成長したなんて言う感じは全くありません。
だから、よく中学生ぐらいの子供が「もっと人間的に成長したいと思います」なーんて言うのを
聞くと、「アホか。内面が成長なんかするか。俺なんか未だに小学4年だ」と心の中で毒づくのです。
以前上司に「私は、小学校4年の時と頭の中は同じで、ずーっと繋がってて、昨日が小学校4年生って
感じでいるんですよ」って言ったら真から軽蔑のまなざしで見つめられました。
注記:
小学4年生のまんま繋がって全く「内面」は成長していない感覚は、62才になった今でも
変わりません。ただ、私を救ってくれた抗うつ剤は、同時に「忘れさせる」薬でもあるので、
生活の質は上がりましたが、子供の頃との記憶の繋がり、記憶の鮮度がだいぶうすまって来た
感じがします。多少さみしい感じがします。
まあ、要するにバカなんですね。
バカと言えばサバンの事をりこうバカって言いますね。(注釈:天才白痴)
これもうわさ話の代表的な話ですが、NASAに行けばアスペルガー症候群がごろごろ居るって話。
NASAの草創期の四五十年前の話ならいざ知らず、私はこの話も眉唾と考えています。
なぜなら、私も機械の納品で日本のNASAつまり、筑波にあるNASUDAに何度か通いましたが、
そこにいる人たちは、本当の正真正銘のお利口さんしか居ませんでしたね。糸川先生は別ですよ。
あの人は本物の天才ですから。
注記:リニアアクセラレーター
日本で初めての宇宙飛行士を選抜する時に、宇宙酔いに耐えられるか調べる機械を作りました。
その一つがリニアアクセラレーターで、前後に5m動くイスです。
偶然その機械の設計をしました。当時はまだCADが無く手書きの汚いへたくそな図面です。
図面も書くのは大好きなのですが、字がヘタで字を書き入れると台無しになるので苦痛でした。
皆発育良く、ヒステリーを起こすような素振りもなく、学生時代はさぞや教師に好かれただろうと
言う人たちだけでした。まあ、そこにバカの私が入るわけですから、合わせて、利口バカと言うことに
なりますが。
噂話とはそのように裏付けの無い、つまりガセネタと考えたほうが良いでしょうね。
サバンと言えば、森口奈緒美の最近出た平行線と言う本のあとがきにありましたが、森口の周りには、
いろんなサバンが集まっているそうで、そのサバン同志を紹介し、それから何やらすばらしい仕事を
達成しているそうです。
やっぱり、目の寄るところ珠の寄るで、私などはこの人生でサバンなるものなど、一度として会った
ことも見たこともなくて、良くてただのお利口か、ただのバカだけですね。
さすが高機能自閉症の世界はすんごいものがあるんでしょうかね。まあ、きっと日本の天才がほとんど
そこに集まってるんでしょうね。私は聞いたことありませんけど。
注記:
森口奈緒美のあとがきにサバンの記述があったと口演で話した事などすっかり忘れていた。
ただ、同じ集まりは何度か開催されていたみたいで、やはり出席した当事者から、
「みんな凄いんだ。私は・・のサバンです。私は・・・のサバンですって自己紹介するんだ」
と、教えて貰いましたが、前にも言った様にサバンと言うのは「天才白痴」の事。
世界で14例か何か認められているサバン症候群は自己紹介すら出来ない人達。
そこで自己紹介している人達は、例えば「電車に乗って目的地へ行ける」とか、
「自己紹介出来る」とかのサバンでしょうか。不思議な集まりがアスペルガーの館を中心に
ある様です。
上記を冷静に分析するとまさしく「ごっこ遊び」。見せかけのごっこ遊びなら私たち夫婦でも
出来ますが、「私はサバンです。お茶でもどうぞ、・・なあーんて言っちゃったりして」と、
オチ無くしてとても平静で居られません。それが「嘘」である事を知っているし、その状態で
つまり「サバンである私」を維持し続けられないのです。
これは、自閉症、カナー型からアスペルガー症候群にまで連なる自閉症スペクトルの、
何か非常に大きなヒントになると思います。
つづく・・・
【自閉症テレビ5】車輪を回す自閉症
この話は、カンファレンスでわたしが口演会で話した事です。ブログでも公開したのですが、
再三のブログ強制削除の対象になった文章です。
なぜこの文章を葬りさろうとしたのか今以て謎ですが、改めて読んで見ると、私達のレベルの自閉症
つまりアスペルガー症候群の特徴がギッシリ、濃密に詰まっているのでさらに分かり易く
解説する事にします。
続き
実は、私達も今になって、幼稚園の先生が言っていた意味を今になって考えたり、
小学校で言われた意味が分かることがあるんです。まあ、ながーい目でのんびりやって下さい。
話は変わり、私達2人の内部というか思考について具体的に話したいと思います。
今ここで、私達と言いましたが、同じ障害を診断された2人でも、SAMの欠陥という本質は同じだ
としても、出てくる現象や、感じ方、などは自閉症スペクトラムのあっちのはしとこっちのはしです。
お互い、お互いの表面に出たエピソードを観察、分析しながら、
「ああ、この人は本当に障害が重いなあ」と考え、実際に口にも出します。
その時は、お互いに「ああ、そう」と返事をしながら、「やっぱり重いなあ」と思っています。
だから、どっちが重い論争は、絶対決着しないし、無意味な論争でもあることを示しています。
この私達でも、簡単に一致する所を見つけることは大変難しい作業です。
にもかかわらず、安易に「私達自閉者は・」とか、「私達の心は・・」とか、「私達の気持ちは・・」
なんて、ヒトくくりするのは、人の気持ちを手に取るほど読みとることの出来る、
一般的に「自閉症ではない」と言われる人による、ガセネタだと考えたほうが良いでしょう。
商売の為なら何でも出来る人って居るんですよね。
注記:またニキリンコ
ここでいとも簡単に「私たち」とか「私たちの気持ち」と代弁出来るのがニキリンコです。
当時はまだ私自身明確に解説する術を持たなかったのですが、自分の気持ちを簡単に表現できる
ことこそ。「マインドブラインドネス」自分の心自分の気持ちがモニター出来ない事に矛盾して
います。
この「ニキリンコ」による書籍は「人とチョット違う私」の心を鷲づかみし、共感を呼び
大量の「ニキリンコ型自閉症」が発生しました。本も売れたみたいね。大体自閉症じゃ無いし。
カウンセラーや病院へ行った時、ニキリンコ著の本を探してみて下さい。
待合室で見つける事が出来たら、そこは要注意の場所です。
身体は大きくなっても内部というか、本質は子供のときのまんまです。
逆に言えば、今のまんま子供だったので、いくら身体が小さくともこの内容です。
だから子供の時に大人びた言葉遣いをしたというよりも、やっと見かけのほうが言葉遣いに追いついて
きたと言う感じですね。
生活する上の発見も、小学校4年ぐらいまでは発見が多く、いろいろ憶えたなあって感じですが、
その後は知識が増えただけで、人間的に成長したなんて言う感じは全くありません。
だから、よく中学生ぐらいの子供が「もっと人間的に成長したいと思います」なーんて言うのを
聞くと、「アホか。内面が成長なんかするか。俺なんか未だに小学4年だ」と心の中で毒づくのです。
以前上司に「私は、小学校4年の時と頭の中は同じで、ずーっと繋がってて、昨日が小学校4年生って
感じでいるんですよ」って言ったら真から軽蔑のまなざしで見つめられました。
注記:
小学4年生のまんま繋がって全く「内面」は成長していない感覚は、62才になった今でも
変わりません。ただ、私を救ってくれた抗うつ剤は、同時に「忘れさせる」薬でもあるので、
生活の質は上がりましたが、子供の頃との記憶の繋がり、記憶の鮮度がだいぶうすまって来た
感じがします。多少さみしい感じがします。
まあ、要するにバカなんですね。
バカと言えばサバンの事をりこうバカって言いますね。(注釈:天才白痴)
これもうわさ話の代表的な話ですが、NASAに行けばアスペルガー症候群がごろごろ居るって話。
NASAの草創期の四五十年前の話ならいざ知らず、私はこの話も眉唾と考えています。
なぜなら、私も機械の納品で日本のNASAつまり、筑波にあるNASUDAに何度か通いましたが、
そこにいる人たちは、本当の正真正銘のお利口さんしか居ませんでしたね。糸川先生は別ですよ。
あの人は本物の天才ですから。
注記:リニアアクセラレーター
日本で初めての宇宙飛行士を選抜する時に、宇宙酔いに耐えられるか調べる機械を作りました。
その一つがリニアアクセラレーターで、前後に5m動くイスです。
偶然その機械の設計をしました。当時はまだCADが無く手書きの汚いへたくそな図面です。
図面も書くのは大好きなのですが、字がヘタで字を書き入れると台無しになるので苦痛でした。
皆発育良く、ヒステリーを起こすような素振りもなく、学生時代はさぞや教師に好かれただろうと
言う人たちだけでした。まあ、そこにバカの私が入るわけですから、合わせて、利口バカと言うことに
なりますが。
噂話とはそのように裏付けの無い、つまりガセネタと考えたほうが良いでしょうね。
サバンと言えば、森口奈緒美の最近出た平行線と言う本のあとがきにありましたが、森口の周りには、
いろんなサバンが集まっているそうで、そのサバン同志を紹介し、それから何やらすばらしい仕事を
達成しているそうです。
やっぱり、目の寄るところ珠の寄るで、私などはこの人生でサバンなるものなど、一度として会った
ことも見たこともなくて、良くてただのお利口か、ただのバカだけですね。
さすが高機能自閉症の世界はすんごいものがあるんでしょうかね。まあ、きっと日本の天才がほとんど
そこに集まってるんでしょうね。私は聞いたことありませんけど。
注記:
森口奈緒美のあとがきにサバンの記述があったと口演で話した事などすっかり忘れていた。
ただ、同じ集まりは何度か開催されていたみたいで、やはり出席した当事者から、
「みんな凄いんだ。私は・・のサバンです。私は・・・のサバンですって自己紹介するんだ」
と、教えて貰いましたが、前にも言った様にサバンと言うのは「天才白痴」の事。
世界で14例か何か認められているサバン症候群は自己紹介すら出来ない人達。
そこで自己紹介している人達は、例えば「電車に乗って目的地へ行ける」とか、
「自己紹介出来る」とかのサバンでしょうか。不思議な集まりがアスペルガーの館を中心に
ある様です。
上記を冷静に分析するとまさしく「ごっこ遊び」。見せかけのごっこ遊びなら私たち夫婦でも
出来ますが、「私はサバンです。お茶でもどうぞ、・・なあーんて言っちゃったりして」と、
オチ無くしてとても平静で居られません。それが「嘘」である事を知っているし、その状態で
つまり「サバンである私」を維持し続けられないのです。
これは、自閉症、カナー型からアスペルガー症候群にまで連なる自閉症スペクトルの、
何か非常に大きなヒントになると思います。
つづく・・・
つづく
【自閉症テレビ5】車輪を回す自閉症
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