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解説 徹口演6 [2002年自閉症カンファレンス講演会]

自閉症カンファレンス2002 徹口演6

この話は、カンファレンスでわたしが口演会で話した事です。ブログでも公開したのですが、
再三のブログ強制削除の対象になった文章です。
なぜこの文章を葬りさろうとしたのか今以て謎ですが、改めて読んで見ると、私達のレベルの自閉症
つまりアスペルガー症候群の特徴がギッシリ、濃密に詰まっているのでさらに分かり易く
解説する事にします。

続き

さすが高機能自閉症の世界はすんごいものがあるんでしょうかね。まあ、きっと日本の天才がほとんど
そこに集まってるんでしょうね。私は聞いたことありませんけど。
おばかな話はこれぐらいにして、

私は子供の頃の記憶異常に鮮明で、他の人もそうだと思ってました。
しかし、私の姉を含め誰も幼児の頃の記憶が非常に薄いんですよね。
その記憶を言うと親を始め「口から出任せ言ってる」って決めつけるので、
やたらめったらには言いませんけど。
私は、小中高と全国8校を転校してまして、異なる同年齢の子供2000人
机を並べた勘定になるんです。
1個所で育つと、小中とほぼ同じ面子(メンツ)と過ごすわけですから、それと比べただけでも、
いかに多くの同世代と接触があったことは容易に分かると思います。
そんな特殊な環境にあったので、まあいろんな子供がいましたが、私と同じように、幼児の頃からの
記憶が強い子供とは出会ったことが無いんです。
ところが、この人(妻)は私と同じように良く憶えてるんです。それでも、私より少ないですけどね。
仕事上のグチも何故か子供の頃にあった同じような体験を当てはめて考えるんです。
わたしもそうですから、話自体よく合いました。思考の構造も人間の見方も似てましたね。
そんな時でも、他の人がおかしいと思ってましたね。ともかく、こんな風にして2人は出会いました。

注記:
   この後、知能の高い社会生活を何とか送っていた自閉症(アスペルガー症候群)に合いました
   が、やはり幼児の頃からの記憶は鮮明且つ克明で、エピソードに対して、エピソードで返すと
   言う思考方法も全く同じでした。つまり概念化が出来ないという障害がどれ程大きく、
   変えようのない障害であると言う事が分かります。



転校やこんな体験から、特殊学級にいたであろう仲間をも想定すると、
自閉症に属する人間の発生率600人に1人ぐらいが妥当かなと、勝手にあたりをつけています。
ただこれは私の世代についてですから、世代間格差もあると思います。
(注釈:ウタフリスの英国に於ける疫学調査の数字)

注記:
   自閉症の発生率はどんどん上がり東洋経済では10人に1人。中には6人に1人なんて数字も。
   医学上明確に認められる障害なのに、医学を無視した数字が何故一人歩きするのでしょうか。
   創価学会が政権与党に参加してから、各種の支援施設の補助金が作られ施設が開設されました。
   膨大な受け入れ先が出来たら、今度は該当者を増やすのみ。親の不安を煽り、医学とは別の
   数字がどんどん出来ました。それから15年。

   創価学会のメンツも立てたと言う事か、今度は補助金の見直し。今迄補助金頼りで運営していた
   施設は次々閉鎖。
   支援施設を頼りにしていた障害者は放り出されました。
   施設の運営者は?10年は稼いだので閉鎖も潮時でしょうか。



視覚優位」と言う言葉もよく使われます。
これも簡単に、ハイそうですかと聞ける話ではありません。
何故なら、私と彼女ではその意味するところが真反対だからです。
私は、記憶は画像で憶えてしまう方で、人の顔も警察犬並にすぐ覚えます。
だから、子供の頃「知ってる人に会ったら挨拶しなさい」といわれても、
どこもかしこも知ってる人だらけで本当に困りました。
目も良かったので、こーんなアリンコぐらいの大きさの時から誰か分かるんですよ。
500mぐらい向こうから来る人が分かってることを想像してみて下さい。
いつ挨拶しようか、いつ挨拶しようか、いつ挨拶しようか。そればっかりで、挙動不審です。
そしていよいよ相手がこっちに気がつきます。しかし、未だ普通に挨拶するには遠い距離だ。
未だまずい。どうしよう、どうしよう。どう考えても挙動不審だと思います。
そうしているうちに、すれ違う訳ですけども、それまでさんざん悩んで、どぎまぎしていますから、
その頃には、もう挨拶するような気持ちでは無いわけです。
それで、隠れるように、挨拶も出来ずにすれ違います。私はどう思われてたでしょうかね。

注記:老眼
   42才だったでしょうか。強烈な鬱になりどうでもよくなっていた頃、診断を受け抗うつ剤を
   投与されました。自閉症は脳機能薬が少量で良く効く、ということですぐ効きました。
   その代わり、その時点で老眼になりました。
   老眼になると言う事は、ピントが合いにくいと言う事で、それまで8K画像だったのが、
   ハイビジョン画質に下がる様なモノです。
   抗うつ剤の服用期間が長くなるに比例して、画質はどんどん下がり、今では昔のテレビです。

   目だけでは無いのでしょう。抗うつ剤の素晴らしい効用と引き替えに、私の異常な、唯一の利点
   であった画像記憶の能力もどんどん下がり、今では普通の人より少し顔を覚えるのが得意、程度
   になってしまいました。

   だから、今迄は「あれっ?」と思うと百発百中だったのが、「あれっ?」と思っても
   「ああ、見間違いか」と言う事が増えてきました。



機械の図面も見ただけで頭の中で立体になります。
実は、工学部に来る連中はみんな同じだと思ってたんですが、違いました
大学を卒業し、設計部門に居る人間はそうだろうと思ってましたが、違いました
正確には、すぐ図面を読める人に出会ったことが無いのですが、設計部長なーんて人でも、
どうやら図面が頭の中で立体になっていないらしいと言うことが、半信半疑なんです。
やたら図面を読むのが得意だと実は良くないんです。
あまりに、複雑な図面を書くと、逆に難しすぎて理解しにくい図面を書いちゃうんですよね。
やっと最近になって、人が理解出来る図面を書けるようになってきたと思います。

注記:図面
   この口演の頃は45才ぐらい。確かに図面はこなれてきていますが、本質に気付いたのは最近。
   図面と言うのは、紙に書いた絵を介してモノを作る人とのコミュニケーションツールなのです。
   だから、どんなに正確にJIS準拠の製図を書いたとしても、意図が通じなければ相手に無意味。
   その意味で、私の図面は正確かもしれませんが良い図面では無く、なかなか意図が相手に
   伝わらず電話での問い合わせがよくありました。

   図面は正確に書けていても、コミュニケーションは出来ていなかった様です。



仕事をしていると、そのプロジェクトごとに資料をファイルします。ところが、一度バインダーに
入れてしまうと、何となくその仕事を再開しようという気が起きないんですよ。
これは本当に不思議だったんですね。
ところが、ある日透明なバインダーにしたら、仕事の移行がスムースなんですね。
書類の分類箱も透明にしたら、良いんですよ。不思議ですね。
これは、私のティーチプログラムですね。

注記:やる仕事
   やらなければいけない仕事は、目に触れていなければなかなか出来ません。透明なバインダーは
   百均で売っていたのを安いからと買ったのですが、これは馴染みました。
   それ迄は、目に触れていなければやらないので、部屋中資料だらけ、それもよく見える様に
   平置きなので、テーブルはどんどん巨大化。床までゴチャゴチャでした。



話がそれましたが、妻は人の顔を覚えるのが苦手です。
特に、芸能人は化粧も変わるし、髪型も変わるし、特に最近の若いタレントは、個性が弱いので、
お手上げです。
しかし、その記憶が薄い分、人の機微をで聞き分ける能力があります。
私は、声では判断が付きませんが、顔の細かい表情の動きでそれを見分けています。
ほとんど、視覚に頼っていないような生活をしていながら、部屋の中に気に入らない物があると
捨てなければ気が済みません。
押入に隠しても、毎日のように押入を開けては捨てよう捨てようと言います。
どうやら、目にやきついてしまうようなのです。
このように、参考書籍から抜き出した「用語」上は同じ視覚優位でも、
それぞれの子供によって、内容は異なると言うことを肝に銘じておいて下さい。

注記:突然の終わり
   何度もブログ削除に合っているドサクサで、この原稿の最終データも見つかりません。
   このデータは最終の手前の保存データで最後の挨拶等は抜けています。ご容赦下さい。 終わり

hallow.jpg


つづく

【自閉症テレビ19】消せない怒り自閉症
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