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見るの付録 [見る]

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私は子供の頃から脳貧血?に悩まされていた。



学校で「起立!」の声と共に立ち上がると、いつも頭がクラクラした。
両手を左右に開きイカが泳ぐような格好をしてフラフラするから、
ひょうきん者だと思われていたかもしれない。



「あっち見て」と言われて、振り返る時も頭がクラクラした。



ある日、「もっとゆっくり立ち上がりなさい」と言われ、
ゆっくり立ち上がる様にしたら大分良くなった。
振り返る時もゆっくり振り返る様にしてクラクラしなくなった。



実は、妻と知り合った時、妻ももの凄い早さで振り返るのを見て
驚いた。



聞くと、やはり頭がクラクラするという。
もう25才過ぎているのに、まだそんな状態。
急に振り返るのを止める様に言ったが、少しは良くなったかな?



ある自閉症児の集まりでは、話の度に子供達が全く同じタイミング
同じ速度で、右へ左へ頭を向けるのが可笑しいほどだった。



みんな、頭をクルッとまるでトリが振り返る様に勢いよく向ける。
それも驚く程一斉に動くんだ。



私も、妻も彼らと全く同じだ。 クルックルッ。



誰も言わないが、「自閉症児は同時に二つの事が出来ない」を
見事に表した行動なんだ。



正常な人、正常な子供は、「ハイ、こっち見て」と言われると、
顔の向きが変わると同時に、目玉もそちらに向くから、
そんなに極端に頭をクルックルッと回さない。



ところが、自閉症の子供、自閉症の大人である妻を観察すると、
目玉は顔の正面を向いて固定したまま、頭だけを回してそちらを向く。



だから、常に言われた方向に顔がキチンと正対するのが特徴なんだ。



そんなに激しく頭を回したら、クラクラするよ。



「こっちを向いて」と言われたら、もう少しゆっくり顔を向ける様に
子供達に教えてあげて下さい。



間違っても、正常な子供と同じ様に、頭と目玉を一緒に動かせなーんて
出来ない事をやらせようとしないでね。
出来ない事をやらせると療育と同じで子供が壊れるからね。

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片岡聡さんの聞く [聞く]

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片岡聡さんの当事者の発表スライドがあまりに面白いので、
予定を変更して「聞く」の話へ。




スライド8に園児の声が洪水の音に聞こえたと言う話。



これは、非常に重要な事項を含む事例だと私は考える。



人間は、不思議なモノで、例えばパチンコ屋の騒音の中でも、
工場の中でも、それこそ片岡聡さんが言う洪水の中でも、
「選択的に音を聞き分け」会話をする事が出来る。



この能力はその状況下では選択的に音を聞き分けられても、
これが一旦録音されると、すべて同じ騒音に掻き消されて
聞き取れなくなる。



それこそ、現場ではもっと騒音が大きかったのに、キチンと
聞き取れて、さらにその場で会話をしていたのだ。



つまり、音を聞き分けるのは、音の大きさでは無く、
コミュニケーションの一つのパーツとしての声だから、騒音の中でも、
コミュニケーションの一部の声を選択して聞き出す事が出来たのだ。



ところが、録音になるとコミュニケーションツールの声では無く、
騒音と同等の価値しか無い音の一種として声が存在するから、
簡単には聞き分ける事が出来なくなる



つまり、正常な人でも、
一旦コミュニケーションの糸を切ってしまえば
声といえども、騒音と同じ音になる



ここからは、想像になってしまうのだが、恐らく片岡聡さんは
自閉症の子供としても、言葉がおそく、仮に言葉を発する様になっても、
コミュニケーションの道具として、使える様になったのは、
相当遅かったと思われる。



保育園に行っていた頃は、
声が時にはコミュニケーションツールになる
事を全く分かっていないから、園児の声だろうが、犬の吠え声だろうが
洪水だろうが、同じ騒音にしか聞こえないし、
その価値も同等でしか無い



だから、今振り返っても、「園児の声が洪水」と言う表現になる。



実は、私の妻が片岡聡さんと同じタイプで、発語は異様に早かったのだが、
それはオウムのオウム返しと同じエコラリアが成した技



片岡聡さんの様に「洪水」とは表現しないが、騒音(特に人の声の渦)の中で
選択的な声の抽出なんて器用な事は全く出来ず、駅で名前を連呼しようと、
デパートで呼び出しを掛けようと、とにかく聞き分けと言う事が出来ないし、
人間の騒音、人出の多いところに行くとすぐ弱ってしまう



つづく・・・



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片岡聡さんの聞いてるモノ [聞く]

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これも片岡聡さんの当事者としての発表スライド8から。



前回、コミュニケーションの上での
選択的な声の抽出について書いたが、
今日の片岡聡さんのトイレでの携帯電話の話もこれに関わる。



前提条件として、スマホや携帯の場合、音が出る穴を耳の穴に
キチンと合わせないと、耳で穴をふさいでしまう場合がある。



妻の場合、そもそもコレが苦手で、昔の大型の固定電話なら、
海外営業の最前線で働いた杵柄で、耳にぴたっと合わせられるが、
様子を観察していると、スマホを耳に合わせる事が大変苦手だ。



だから、「聞こえない聞こえない」と言いながら、顔をグイグイ
スマホに押しつけると、今度は顔でピポパピポパとキーを押してしまう。
結局高い値段で買ったスマホは捨ててしまった。



話は逸れたが、昔固定電話で顧客とやりとりしていた頃、
デスクの周りには課長から係長から同僚まで、
全員がその内容に聞き耳を立てていた。



その話が、自分の思惑と違う方向に行きそうに思うと、
口々に「ダメダメ、そんな事言っちゃダメ、後から電話って答えろ!」
とか、「さっさとOK貰っちゃえ。向こうの都合なんかイイから!」
と、外野がやたらと口を出し、新人はそれを聞きながら、
話をしなければ一人前扱いされなかった。



しかし、そんなやりとりは妻が最も苦手な事だったのだ。



つづく・・・



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片岡聡さんの聞こえない [聞く]

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片岡聡さんの当事者としての発表スライド8から。
コミュニケーションの上での選択的な声の抽出について書いた。
そして片岡聡さんのトイレでの携帯電話の話のつづき・・・



アスペルガー症候群の診断を受けている妻も、片岡聡さんと同様に
電話を受けているときに外野の声に非常に惑わされる



そこで、長いOL生活の中で生み出した対応法は、
電話口を手でふさぎ、有無を言わせぬ毅然とした態度と声で
「うるさい!聞こえない!」と言い放つのだ。



この、振る舞い、声質、態度、声の大きさ。
ドコの誰から学んだのか、恐らく誰かのエコラリアなのだろうが、
その見事さ、普段の姿とのギャップで、必ず誰もが口を閉ざす。



しかし、そのエコラリアも、職場での緊張の中使える手法であり、
仕事を辞め20年。すっかりその緊張感がほぐれ、地の自閉症が丸出しで
携帯やスマホはさっぱり聞き取れなくなってしまった。



仕方ないので、シャープのハンズフリー電話を特別に
妻の部屋専用に準備したら、やっと電話の応対が出来る様になった。



ここで言いたいのは、
正常な人は片耳で聞く声をコミュニケーションとして
選択的に抽出、或いは逆の耳からの音声をカットアウト
出来るが、



先天的なコミュニケーションの障害、自閉症の場合は、
人の声を無理矢理コミュニケーションツールとして取り込んでいるから、
さらに高度な、片耳から選択的に声を抽出するという芸当は
出来ない、と言うか非常な労力と努力と注意力を要する



だから、より電話でのコミュニケーションに注力するために
トイレを選択し、外部からの外乱を防ぐという行為は、
自閉症の特性を見事に表した手法である事が分かるのだ。



妻の外部の声を遮断するエコラリアは妻独自のTEACCHだし、
トイレでの携帯電話の応対をするというのは
片岡聡さんが編み出した片岡聡さん独自のTEACCHなんだ。



ただ、ここでは片岡聡さんと私の妻に該当する話であって、
全ての自閉症がそうだと言う訳では無い。
私は、普通にスマホも使えるし、スマホが苦手だから自閉症だとは
ならない。



あくまで自閉症は、
三つ組の障害がセットになって自閉症として認められ
そのうちの、コミュニケーションの障害の一例として
解説したと言う事だ。



つづく・・・



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片岡聡さんの今も聞くモノ [聞く]

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片岡聡さんの発表の中で私が一番注目したのがスライド37



私が壊れた原因である様々な出来事は、
テレビや新聞や考え事の何かをトリガー(きっかけ)にして、
状況(画像)が浮かび、それに言葉と口調が付随してくる



だから、その時の口調にしてもエコラリアでそのまま再現出来るが、
その聞こえ方は片岡聡さん程のリアルさと切迫感は無い様な気がする



一方、私と違い片岡聡さんは、
未だに自身を罵倒する声が頭の中で再生される



これは、本当に貴重で重要な発言。
知能が高く言葉を得た自閉症者でなくては表現出来なかった事だ。



つまり、壊れたカナー型の子供達の中にも、片岡聡さんの様に
療育の過程で叩き込まれた「声かけ」が、部屋に引きこもっていても
突然再生されたら、その場で飛び上がって、叫びたくなるだろう。



この片岡聡さんの、貴重な体験談の重要性について、
一体どれ程の人が気付いて、それを子供達の障害児教育に
役立ててくれるのだろうか。



誰も気付かないだろうな。



つづく・・・



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片岡聡さんが聞こえた話 [聞く]

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私が最も重要だと考える、片岡聡さんの当事者の話スライド37



この片岡聡さんのPTSDによるフラッシュバック
幻聴を取り違えられ向精神薬を処方された?のは実体験と思われる。



自閉症者が、
本来持っている知能からは考えられない程
自分の事を上手く説明出来ない事から、
この間違いは数多く報告されている。



例えば、「部屋に居ない人の声が聞こえる」に「YES」と答えるのだが、
隣の部屋の人の声だったと言う例が報告されている。



片岡聡さんも、自分がその時感じたまま医者に言っただけなのに、
医者は、「幻聴」と判断し向精神薬を処方する



一方、ネット上の統合失調症の患者は、幻聴幻覚を持ちながらも
「アスペルガーと診断された」と主張する



本当に、そんなに知能が高い自閉症者が存在するのか。精神科医も専門家だ。
自閉症者が多数存在し、PTSDを上手く説明出来ない患者が多く、
向精神薬を投与したら悪影響が出たケースをみれば、
次の選択肢は「自閉症者では無いか」と疑う事になるはずだ。



現実には、統合失調症に慣れている精神科医でも、
滅多にホンモノの自閉症者に出会うケースが無いから、
自閉症者に向精神薬を投与するという間違いを犯してしまう。



つまり、ネット上では「自称アスペ」が氾濫しているが、
医療の現場では、あくまでレアケース
まだまだホンモノの知能の高い自閉症者に出会う事が珍しく、さらに
実情が理解されていない事が如実に表れているのだ。



統合失調症であれば向精神薬は必需品だが、
自閉症スペクトルであれば向精神薬は百害あって一利無しなのである。


つづく・・・

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片岡聡さんの聞きたくない [聞く]

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片岡聡さんが感覚過敏と決めつけてしまっている事については、
私は別の認識もありこちらこちらで詳しく書いている。



無論、片岡聡さんの感じた事を尊重した上での私の考えだが、
さらにスライド31、32について考えてみる。



片岡聡さんの悩みの種、
騒音なのか話し声なのか日差しなのか風なのかは分からないが、
とにかくその悩みの種から逃れられない



その事を片岡聡さんは「感覚過敏」の一言で済ましているが、
妻を観察していても同様な事があるが、「感覚過敏」の一言では
説明しきれないし正常な人たちに理解して貰えない



感覚の敏感性も見られるが、それと同時に「こだわり」もある。
この「こだわり」とは何か。
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こちらでも解説しているが、
英文の論文上はFix、これが日本語では「こだわり」



しかし、自閉症児自閉症者を観察してその行動を見ると
どうも「囚われ」あるいはもっとくだけた表現でいうと、
「ドツボにはまる」と言ったほうが分かって貰えそうな気がする



つまり、感覚の敏感性も相まって、
何かにに囚われてしまって、仕事すら出来なくなる状態。



と、表現するのが相応しいと、妻を観察し、そしてその事から、
自分を顧みて考えると、上記の様に表現する事が
最もふさわしいと思うのだ。


つづく・・・


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