マインドを獲得する境目 [SAM]
ヒトは遅くとも22ヶ月で「自我」「マインド」を獲得します。
それ迄はヒトと同じ形をした動物ですが、「マインド」を得てヒト正常な人となります。
この事から、正常な人であるか無いか。「マインド」を獲得したかしないかで
自閉症であるか否かと言う事が明確になります。
つまり自閉症のグレーゾーンは存在しないと言う事が分かるのです。
「チョット待った!18ヶ月と22ヶ月に間がある。その間の状態はどうなる。それがグレーゾーンなん
じゃ無いか?」
そうではありません。
18ヶ月から22ヶ月と言うのは、人の成長にはバラツキがあり18ヶ月から22ヶ月の間のどこかで、
「マインド」を得ると言う意味であり、その間の期間の事を言っているのではありません。
その子の成長が早ければ18ヶ月と1日で得るかも知れませんし、遅ければ21ヶ月と22日で得るのかも
知れません。
小学4年になると、第一次反抗期が訪れます。これも人の成長に伴うモノです。
第一次反抗期もいつ、どう言う形で訪れるのか厳格には分かっていませんが、この時期のドコかの
タイミングで訪れ、ある日突然親が気付きます。「ああ、反抗期か」気付いた時が反抗期の始まりです。
壁の電灯のスイッチを見て下さい。スイッチを入れると点灯します。スイッチを切ると消えます。
電灯のスイッチにはグレーゾーンはありません。
第一次反抗期もそうです。やはりグレーゾーンと言うべき部分は無視して良い程小さく
問題にすべきでは無いので、グレーゾーンはありません。
自閉症も同様です。「マインド」を持っていない幼児が「マインド」を得て正常な人になります。
電灯で言えば点灯している状態ですね。
「マインド」を持てないまま成長し続けているのが、自閉症スペクトル。自閉症でありアスペルガー
症候群であり、その他の呼び方の自閉症の仲間です。電灯は点いていません。
だからグレーゾーンはありません。
つまり、理論的に「自閉症のグレーゾーンはあり得ない」のです。
これほど正常な人にとっても自閉症者のとっても重要なマインド。
自閉症者にとってのマインドがどの様に働いているのか働いていないのか、ここまで読んで下さった
皆さんは大分理解されたと思います。さらにもう一歩深く知りたい方はこちらをお読み下さい。
【自閉症テレビ29】ファンタジーと自閉症2
自閉症のいちばん分かり易い理解の仕方 [SAM]
1989年 ローナ・ウイングを筆頭にアトウッド、バロンコーエン、フリス、ハッペ等の研究が結実し、
自閉症の理論的な定義が医学界で受け入れられ、判定基準となりました。
それまで、特に知恵遅れの子でも、果たしてその子供を自閉症と言うべきか否かは、おおよそでしか
判断出来なかったのです。
それが理論的に自閉症か否かを判断出来るようになり、知能が高い自閉症がいる事も証明されました。
その知能の高い自閉症を「アスペルガー症候群」とし、過去の呼び名を現在に蘇らせ流用しました。
古典的自閉症のカナー型から知能の高い自閉症アスペルガー症候群。
すべてのタイプを「自閉症スペクトル」に含まれるモノ、一つの障害として定義づけたのです。
此所に至るには、人工知能の生成ロジックや人間の認知研究の結果も非常に大きな力を発揮しました。
用語ばかりが難しい自閉症の理論ですが、最も分かり易いのが今日の話です。
子犬にカガミを見せます。子犬は仲間が居るかとカガミに鼻を付け、さらにカガミの裏側に回ります。
これで、カガミはカガミであり仲間では無いと知ります。そして、もう興味を持ちません。
トリから猿、イルカまで同じ行動をとります。 これは動物の行動です。
18ヶ月以前の幼児にカガミを見せます。カガミに向かって笑いかけたり、手で触ろうとしますが、
それで終わりです。これも動物と同じ行動です。
22ヶ月を過ぎた幼児にカガミを見せます。この時、鼻の頭にクリームを少し付けます。
鼻の頭にクリームを付けた顔を見て大笑い。すぐに自分の鼻にクリームが付いていると判断し、
鼻に付いたクリームを取ろうとしたり、大笑いしながら母親に見せようとしたりします。
この行動は、「カガミに映っているのは自分の姿である」と認識したと言う証明です。つまり「マインド」(この場合は自我)を持っている。自分と言うモノを認識していると言う事です。
この実験は、人間の認知を知る実験として広く知られ、ディスカバリーチャンネルでも非常に上手に
映像化されていますから、皆さんもテレビで見た事があると思います。
この18ヶ月から22ヶ月のほんの4ヶ月間に、人間は「マインド」「自我」を獲得する事をこうして
証明されたのです。
動物と同じ行動止まりだった幼児が、「マインド」「自我」を獲得し正常な人として成立した瞬間です。
一方「マインド」「自我」を獲得せず成長した人間が存在します。「マインド」「自我」を
持たない18ヶ月以前の幼児のまま成長したと言う事です。
その状態の人の事を「自閉症スペクトル」自閉症者と呼びます。
つまりサイモン・バロン=コーエンが「マインドブラインドネス」の理論で証明した人の事です。
ですから、正確な診断には22ヶ月以降になるまで待つ必要があるのです。
また非常に知能が高くこの指標をすり抜けた場合でも、その後の指標、例えば「サリーとアン」の課題
であったり、その他の判定基準とする課題があり必ずいつかどこかの時点で判定がつきます。
自閉症とは「マインド」を獲得出来ない事、つまり「マインドブラインドネス」である事。
「マインドブラインドネスの人、この人の事を自閉症と言う」と言う事なのです。
さらに分かり易く言うと、どんなに知能が高くてもマインドに於いては
「動物と同じレベル」と言う事なのです。
医師が知能の高い自閉症児を診察し、判断出来ず「グレーゾーン」とする事があったとしても、
自閉症の「グレーゾーン」は存在しません。
「マインド」があるか無いか。「マインドブラインドネス」であるかどうかだけなのです。
理解出来ない人はコメントをどうぞ
【自閉症テレビ11】ホントの診断法アスペルガー
我が強い 自我 [SAM]
私は社会に巧く溶け込めません。
私は他人とコミュニケーションを巧くとれません。
私は悪気がないのにすぐ人の気を悪くするような事を言ってしまいます。
私は人の気持ちが時々分からなくなり悩みます。
どうしたら友達と仲良くしていけるのでしょうか。
こんな事、人間であれば全世界の人間が考えます。
人間生きていれば、思い通りに行く事など無く、幼稚園児だって人間関係に悩んでいます。
それを殊更「それは発達障害です」とするのは、何か意図を持っている人が言う事で、
わざわざ障害者に仕立て上げようとしている様なモノです。日本の現状はそうですけどね。
ところが、自閉症の障害はそんな程度では済みません。
1.社会的相互交渉 の障害
2.コミュニケーション の障害
3.想像力 の障害
この三つの障害すべてが揃って初めて「自閉症スペクトル」と言う障害と認められるのです。
それを書き表したのがローナ・ウイングの本。
自閉症児自閉症者、知能にかかわらず一体何の障害なのか。何が出来ないのかを実例を以て解説し
全ての自閉症児・アスペルガー症候群の子育ての参考になるように書かれた本です。
そしてウイングの理論(自閉症スペクトル理論)の裏付けになった、自閉症をさらに理論的に
解明するとどう言う事かを解説したのがこちらの本。
サイモン・バロン=コーエンの「自閉症とマインド・ブラインドネス」青土社です。
この本は「正常な人」から見ると、あまりに当たり前な心の中の「自動プログラム」について
書かれているので難しい筈です。
あれっ?ちょっと待って下さい。今まで読みつなげて来たマインドブラインドネスの解説。
その解説によると分かりやすいと言う話だったのでは。それはひとまず置いておいて先に進みます。
どう言う事かと言うと、高梨沙羅のスキージャンプに置き換えて考えてみます。
スキーのジャンプは元々あり得ない作業を頭と身体と訓練と技術で、最高の結果を再現しようとします。
自分がやっている事を常に認識しながら慎重且つ大胆に行います。
だからこそ自分がその時何をしたか。何を考えどうバランスを取ったか考える事が出来るのです。
自閉症者に日常生活で「心・マインド(内面)」を見つめろと求める事は、スキー選手でも無いのに
今からジャンプ台を飛んで高梨沙羅がもっと飛べる方法を考えて来いと要求する様な事なのです。
中には「内面を見つめる事が出来るサバン」が居るかもしれませんが、小学生ジャンパーにも及ばない
筈です。
では正常な人の「心」はどうでしょう。ここで言う「心」とは心の理論での「心」。
そしてマインドブラインドネス理論での「マインド(内面)」です。
正常な人は息をしているように、全く意識もせず無意識下で心の「自動プログラム」が
常に動作していますから、プログラムが存在している事すら自覚せずに生活出来るのです。
逆に言えば心の「自動プログラム」が存在し、その存在を感じさせずに自動で動くから正常な人と
言われるのです。
その、普段意識しなくても良いプログラムを、敢えて意識し、それを分析してその構造を理解しろと
言われても、「何がなんだかわからな-い」と言うのがホントなのです。
ただ、それを敢えて理解出来れば、自閉症について理解出来ると言う事なのです。
それだけ価値のある理論であり書籍です。WHOは賛辞を持ってローナ・ウイング博士を総会に招待しました。
その意義を日本人は知っているのでしょうか。そしてその基礎ともなったマインドブラインドネス。
ところが、どうも専門家と称しても、
この書籍に出てくる理論を理解していない人間が山程居る様なのです。
特に辻井正次氏と杉山登志朗医師の発言を見ると、ローナ・ウイングを引用しながら真っ向反する
意見を主張したりしていますから、本当に該当論文を読んでの話なのか非常に疑問に感じます。
詳細はこちらに書いてあります。
同様に、東京都でも東京都発達障害者支援センターの石橋悦子氏が自閉症のこどもに対して
ロールプレイで他人のきもちが分かるようにトレーニングしているとホームページ上でも報告してい
いました。その後もう20年。その結果はどうだったのでしょう。検証結果も報告して貰いたいモノです。
つい最近までトレーニングの効果を謳っていたのですが、今のホームページに代わり無くなりました。
さらにこの組織は東京都の組織にも関わらず組織図も責任者も記載しない不思議な組織です。
障害者関連組織は時々こうした責任不在の不思議な組織が時々出てきます。
2024年4月12日追記:
創価学会系団体嬉泉により運営されている東京都発達障害支援センター:現こどもtosuka。
組織図、運営責任者等を非公表。
東京都自閉症協会:同様にNPOの筈なのに、最新版と称して古い定款、現在無効の理事一覧を開示。
何故か創価学会系の団体は色々隠し事が多いよね。
NPO法人は組織、運営者、理事の公開が必須条件なんだけどね。だから?創価学会の勧誘が嫌で
自閉症協会を辞める親が多いんだ。
話が逸れましたが、「自閉症スペクトル」の原理を理解したいなら、
この書籍を理解出来なければ絶対無理です。研究者向きの書籍ですが日本の支援施設の
担当者は高学歴。きっと理解できるでしょう。
一方私たち自閉症にとっても、自分たちが持っていない能力を知り、理解できる書籍ですから、難解でも有意義な噛み応えのある本です。
ウイングの「自閉症スペクトル」
フリスの「自閉症とアスペルガー症候群」
コーエンの「自閉症とマインドブラインドネス」
この3冊を完全に理解出来たら完璧ですが、私はまだまだ途上です。
【自閉症テレビ25】自閉症サンプル
私は他人とコミュニケーションを巧くとれません。
私は悪気がないのにすぐ人の気を悪くするような事を言ってしまいます。
私は人の気持ちが時々分からなくなり悩みます。
どうしたら友達と仲良くしていけるのでしょうか。
こんな事、人間であれば全世界の人間が考えます。
人間生きていれば、思い通りに行く事など無く、幼稚園児だって人間関係に悩んでいます。
それを殊更「それは発達障害です」とするのは、何か意図を持っている人が言う事で、
わざわざ障害者に仕立て上げようとしている様なモノです。日本の現状はそうですけどね。
ところが、自閉症の障害はそんな程度では済みません。
1.社会的相互交渉 の障害
2.コミュニケーション の障害
3.想像力 の障害
この三つの障害すべてが揃って初めて「自閉症スペクトル」と言う障害と認められるのです。
それを書き表したのがローナ・ウイングの本。
自閉症児自閉症者、知能にかかわらず一体何の障害なのか。何が出来ないのかを実例を以て解説し
全ての自閉症児・アスペルガー症候群の子育ての参考になるように書かれた本です。
そしてウイングの理論(自閉症スペクトル理論)の裏付けになった、自閉症をさらに理論的に
解明するとどう言う事かを解説したのがこちらの本。
サイモン・バロン=コーエンの「自閉症とマインド・ブラインドネス」青土社です。
この本は「正常な人」から見ると、あまりに当たり前な心の中の「自動プログラム」について
書かれているので難しい筈です。
あれっ?ちょっと待って下さい。今まで読みつなげて来たマインドブラインドネスの解説。
その解説によると分かりやすいと言う話だったのでは。それはひとまず置いておいて先に進みます。
どう言う事かと言うと、高梨沙羅のスキージャンプに置き換えて考えてみます。
スキーのジャンプは元々あり得ない作業を頭と身体と訓練と技術で、最高の結果を再現しようとします。
自分がやっている事を常に認識しながら慎重且つ大胆に行います。
だからこそ自分がその時何をしたか。何を考えどうバランスを取ったか考える事が出来るのです。
自閉症者に日常生活で「心・マインド(内面)」を見つめろと求める事は、スキー選手でも無いのに
今からジャンプ台を飛んで高梨沙羅がもっと飛べる方法を考えて来いと要求する様な事なのです。
中には「内面を見つめる事が出来るサバン」が居るかもしれませんが、小学生ジャンパーにも及ばない
筈です。
では正常な人の「心」はどうでしょう。ここで言う「心」とは心の理論での「心」。
そしてマインドブラインドネス理論での「マインド(内面)」です。
正常な人は息をしているように、全く意識もせず無意識下で心の「自動プログラム」が
常に動作していますから、プログラムが存在している事すら自覚せずに生活出来るのです。
逆に言えば心の「自動プログラム」が存在し、その存在を感じさせずに自動で動くから正常な人と
言われるのです。
その、普段意識しなくても良いプログラムを、敢えて意識し、それを分析してその構造を理解しろと
言われても、「何がなんだかわからな-い」と言うのがホントなのです。
ただ、それを敢えて理解出来れば、自閉症について理解出来ると言う事なのです。
それだけ価値のある理論であり書籍です。WHOは賛辞を持ってローナ・ウイング博士を総会に招待しました。
その意義を日本人は知っているのでしょうか。そしてその基礎ともなったマインドブラインドネス。
ところが、どうも専門家と称しても、
この書籍に出てくる理論を理解していない人間が山程居る様なのです。
特に辻井正次氏と杉山登志朗医師の発言を見ると、ローナ・ウイングを引用しながら真っ向反する
意見を主張したりしていますから、本当に該当論文を読んでの話なのか非常に疑問に感じます。
詳細はこちらに書いてあります。
同様に、東京都でも東京都発達障害者支援センターの石橋悦子氏が自閉症のこどもに対して
ロールプレイで他人のきもちが分かるようにトレーニングしているとホームページ上でも報告してい
いました。その後もう20年。その結果はどうだったのでしょう。検証結果も報告して貰いたいモノです。
つい最近までトレーニングの効果を謳っていたのですが、今のホームページに代わり無くなりました。
さらにこの組織は東京都の組織にも関わらず組織図も責任者も記載しない不思議な組織です。
障害者関連組織は時々こうした責任不在の不思議な組織が時々出てきます。
2024年4月12日追記:
創価学会系団体嬉泉により運営されている東京都発達障害支援センター:現こどもtosuka。
組織図、運営責任者等を非公表。
東京都自閉症協会:同様にNPOの筈なのに、最新版と称して古い定款、現在無効の理事一覧を開示。
何故か創価学会系の団体は色々隠し事が多いよね。
NPO法人は組織、運営者、理事の公開が必須条件なんだけどね。だから?創価学会の勧誘が嫌で
自閉症協会を辞める親が多いんだ。
話が逸れましたが、「自閉症スペクトル」の原理を理解したいなら、
この書籍を理解出来なければ絶対無理です。研究者向きの書籍ですが日本の支援施設の
担当者は高学歴。きっと理解できるでしょう。
一方私たち自閉症にとっても、自分たちが持っていない能力を知り、理解できる書籍ですから、難解でも有意義な噛み応えのある本です。
ウイングの「自閉症スペクトル」
フリスの「自閉症とアスペルガー症候群」
コーエンの「自閉症とマインドブラインドネス」
この3冊を完全に理解出来たら完璧ですが、私はまだまだ途上です。
【自閉症テレビ25】自閉症サンプル
他者の心の理解 [SAM]
「他者の心の理解」「マインドブラインドネス」(マインドブラインドネス・それが自閉症)
「Understanding other minds」「MINDBLINDNESS」
コンピューターの発達と共に進化した「心の理論」心の理論に欠陥がある自閉症の私としては、
あくまでコンピューターの理論として考えた方が親和性があります。
コンピューターがスーパーコンピューターになろうとも、AIでいくら個人情報を増やそうとも、
「心」は持てません。
「心」のプログラムが作れないからです。人間は持っていますが、人間に匹敵するプログラムを
作れないのです。
一方、「心」を持たない「心の理論」を持たない、「心の理論の欠陥がある」人間が存在します。
それが、自閉症です。「他者の心の理解」が出来ないのです。だから自閉症なのです。
それを療育で「他人の気持ちを考えよう」と強要しているのが
日本の大多数の療育です。
能力の欠陥なのに、その能力が無い障害なのに強要を続けたら、人はどうなるのか。
壊れるのです。
【自閉症テレビ17】アスペルガー薬と療育
わたしの心 [SAM]
「心の理論」-自閉症の視点から- 八千代出版
サイモン・バロン・コーエン
原題「Understanding other minds」
私には一番分かり易い「マインド・ブラインドネス」理論
つまり「マインドブラインドネスの人、この人の事を自閉症と言う」
しかし、正常な人達には逆に分かりにくいのかもしれません。
そのマインドブラインドネスの理論を裏付ける論文をまとめたのが、この書籍です。
「正常な人」が持つ「ココロ(マインド)」とは何か。どの様にはぐくまれ持ち得るのか。
そこへ至る過程、構造それらを含む理論を理解するためのモノですから、研究者向きと言って
良いでしょう。
この書籍の題名を付けるにあたり著者の葛藤も付記されています。「心の理論」「心の概念」
「民衆心理学」などの用語が候補に挙がりましたが、結局
「Understanding other minds」
(他者の心の理解)を採用したとあります。
残念ながらその著者の思いは届かず、日本の編集者は「心の理論」に差し替えてしまいました。
確かに受けは良いかもしれませんが、内容としては、「他者の心の理解」とした方が
余程分かり易い本です。
【自閉症テレビ24】社会性豊かなASD
自閉症とマインド・ブラインドネス [SAM]
「自閉症とマインド・ブラインドネス」 青土社
サイモン・バロン=コーエン
原題「MAINDBLINDNESS」
副題(An Essay on Autism and Theory of Mind)
原題は「MAINDBLINDNESS」ですから、翻訳の「自閉症とマインド・ブラインドネス」と少し
ニュアンスが違う様に感じます。
そしてその内容はサイモン・バロン=コーエンが名付けた人の理論的解説つまり、
「マインドブラインドネスの人、この人の事を自閉症と言う」という内容です。
自閉症の子供を持つ親の必読書はローナ・ウイングの本ですが、理科系の自閉症当事者の私が、
最も親和性が高く自閉症の事を理解出来た本がこの書籍です。
計算機が身近になり、コンピューターと言うモノが作られた事で、それに伴い、
「物事を考え処理する方法」について深く考える人が多くなりました。
物事を「概念」「思い」で処理するのではなく、全ての物事を具体的に分解できなければプログラムは
作れません。
それらの考え方の進歩とも重なり、「心」とは何か。「気持ち」とは何か。「ヒト」とは何か。
そして、「自閉症」とは何か。それを見事に解き明かしたのがこの書籍です。
「人」が「ヒト」であるために獲得する、
ID→EDD→SAM→TOMMこれを分かり易く書いている筈なんですが、
自閉症である私は、SAMまで理解するのが精一杯で、未だにTOMMの理解まで行き着けていません。
皆さん興味があるなら読んで見て下さい。
【自閉症テレビ24】社会性豊かなASD