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私のきもち [SAM]

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2000年に突然始まった誰でも発達障害運動のおかげですっかり地道な現場の声が吹っ飛んで
しまいました。






その頃、巷で噂されていた話に「感想文が書けない子供が居る」と言う話があります。






この感想文が書けない言う話は、私や妻(共にアスペルガー症候群診断済み)も若かりし頃喫茶店で
デートしながらよく話しました。小学4年か5年になると、カリキュラムに感想文が組み込まれますから、
その時々の苦労話に事欠きません。
※注釈 妻の記憶では、小学2年1学期に読書感想文の課題があり今も克明に憶えています。
    「私はマッチ売りの少女を読みました。マッチ売りの少女がマッチをするところがおもしろ
     かったです。おわり。」
(その時の感想文を復元するとまるで将来の放火魔。ちなみに妻の国語の成績は優秀で高校卒業までずっと5だったそうです。)






では、本を読むのが嫌いかと言うとそんな事は無く、生まれてこのかた、私と同じぐらい本を読んでいる
人に会ったのは初めてで、読んでいる本もほぼ共通している事にも驚きました。






では、本を読む事が大好きで大量に読んでいるにも関わらず感想文が書けないとはどう言う事
でしょうか。






これも「マインドブラインドネス」自己の内面を知る術を持たない人間である事に
由来します。「マインドブラインドネスの人、この人の事を自閉症と言う」






現場の見識ある教師達は、勉強が出来るのに感想文を書けない「奇妙な子」の存在に
気付いていました。






この奇妙な子供達に初めに気付いたのが、ハンス・アスペルガーです。
ドイツでどうしようも無く手が付けられない子供がアスペルガーの元へ送られました。
その子供達があまりに奇妙なので、その行動様式を観察書き留め論文発表していたのです。






後日、ウイングなど若手の研究者が、自閉症と関連づけ自閉症スペクトル理論が成立したのです。






老齢のハンス・アスペルガーは、カナー型を自閉症とする考えから「違う」と言っていましたが、
ローナ・ウイングの定義は揺るぎないものと世界の医学界で賞賛と共に受け入れられました。
その根幹とする理論が「マインドブラインドネス」(自身の内面を見る事の出来ない人)なのです。






「正常な人」は本を読み、テレビを見て、何か話を聞いて瞬時に「自身の内面に起きた何か」を
無意識に知る事が出来ます。






その何かを既に知っているので、後は年相応の言葉に置き換える事が出来ます。
幼ければ幼いなりの言葉で表現し、小学生中学生と成長すればその知識に応じた表現になるのです。






一方私たちアスペルガー症候群の場合、知識のストックは膨大にあり、
時には教師をも黙らせる知識を持ち合わせながら、感想文となると書く事すら出来ないのです。






「ケネディは第二次世界大戦へ行きました。若くして大統領になりました。凄いと思います。終わり。」
学年でトップクラスの成績なのに、感想文がこれでは「テメーおれをおちょくってるのか」となります。
ある種の教師には徹底的に他では考えられない程目の敵にされイジメられるのも特徴で、
私も妻もそうやって学生生活を送ってきました。






私は「お前は転校生だから内申書0点だからな」と中学3年の時に何度か言われましたが、
言われている意味がさっぱり分からず、結局高校浪人する羽目になりました。
ビックリする両親と一緒に教師の自宅まで会いに行きましたが、
慌てる両親を見た教師が慌てていました。滑り止めに函館ラサールをひとり受験してましたが、
その青森の中学教師はラサール高校を知りませんでした。
(転校生で制服はみすぼらしく中卒でも構わない無関心な家庭と思われていたフシあり)






実はそれから45年経った今でも内申点0の意味は理解出来ないままです。






とにかく、感想文が書けない、と言うのは、非常に分かり易い一つの目安
なのです。



そしてもう一度当事者の文章とされるモノを読んでみて下さい。ソレは感想文ではありませんか?



【自閉症テレビ15】統合失調症と自閉症の謎1

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