マインドを内面とする事で、マインドブラインドネス理論が分かり易くなったと
書きましたが本当でしょうか。検証してみなければいけません。
マインド、日本語でいう「こころ」を「内面」と言うと分かりやすい?
それなら、「こころ」を「気持ち」とした方がよさそう、とそんな風に思えませんか?
では「気持ち」とは何でしょう。
快感。不快。などの心の状態。相手の気持ちが分からない、の「気持ち」の事ですから、
マインドブラインドネスの理論にも合致しそうです。
【怒りや悲しみ等の「激情」に駆られて泣き出す。】
この場合の「激情」は何でしょう。
「気持ち」そのものでもありますし、「感情」をも含んだ表現になります。
この様に
マインド、日本語でいう「こころ」を「気持ち」としてしまうと、
気持ち=「感情」として感情が含まれる事になってしまいます。
マインドブラインドネス=気持ちのブラインドネスとしてしまうと、
=感情のブラインドネスでもある事になります。
感情のブラインドネスであれば、自分の感情が分からない人になってしまいます。
ここで現実の世界に引き戻されます。皆さん自閉症のお子さんであったり、アスペルガーのお子さん
などに直接触れ合っている、育てている人ならすぐ思い当たるでしょう。
彼ら(私たち夫婦を含めて)に感情が無いなんて事は全くなく、むしろ突然周囲が引きまくる様な
感情の大爆発を起こす事をご存知なはずです。ご存知どころか身に沁みてますか・。
ですから、マインドを「気持ち」とすると理論の内容と合わなくなってしまいます。
それでもまだしっくりしない。自閉症の子供の事を少しでも知りたい。アスペルガー症候群の子供の事を
もっと知りたい。本当にそう思うなら、是非「マインドブラインドネス」に挑戦してみて下さい。
これこそが自閉症理論の基礎であり、自閉症に対する認識が一変する初めの一歩になるでしょう。
自閉症とマインド・ブラインドネス (新装版)
バロン=コーエン,サイモン【著】〈Baron‐Cohen,Simon〉
/長野 敬/長畑 正道/今野 義孝【訳】
さて、アナタは早速本を購入。これを一応読み終わったとします。
この本を読んで簡単に理解できる天才は別として、私は20年掛けても未だ完全に理解していません。
同じ様にまだ理解が不十分な人もいると思うので私なりの補足をします。
私たち(自閉症、アスペルガー症候群)は、自分自身の内面を知る事が出来ません。
内面を知る事が出来ないと言う事はどういうことでしょうか。
例えば、私(自閉症診断済み)も私の妻(自閉症診断済み)も不登校になった事がありません。
学校は行かなければならない。と言う掟(絶対的条件、決まり)の前に、行かないという
選択肢が無いのです。行かなくても良いと言う選択肢を持てないと言うべきかもしれません。
だから、嫌で嫌でしょうが無くても学校へ行きました。時に親に訴えた事もありましたが、
「ダメ」の一言であきらめました。
嫌で嫌でしょうが無いと言うのは「内面」ですから理屈に合わない様ですが、
「嫌で嫌でしょうが無い」と言うのは、20年後40年後の今、当時の自分を見て分かる事で、
その時点では、とにかく行かねばならぬ、行かねばならぬ。どんなに朝苦しくとも、どんなに眠くとも、
どんなに気持ち悪くても、朝礼で倒れても、吐きそうになっても、とにかく行かねばならぬ。
「とりあえず行くだけ行って保健室へ行ってベッドで寝る」なんて思いつきもしませんでした。
正常な人は効率良く暮らす能力を持っています。
嫌悪感を感じる場合、無意識にそれをさけストレス回避し、ストレスに対峙した時は
カラオケでストレスを発散します。
ストレス発散と称して、嫌な記憶を上書きして無かった事に出来るのです。
この、脳内の自動プログラムこそが、
正常な人の生活を楽にする高度且つ最重要テクニックなのです。
ですから、正常な人は生きていく上での
コスト(脳内作業量)が少なくて済む様になっています。
私たち自閉症は、自分自身よく分かっていない「嫌な事」もやれと言われれば、
やらなければいけない事になり、当然の事の様に了解します。
その時内面に「嫌だ」という気持ち感情があったとしても、その場では理解できない
認知できていないのです。
さらにそれを、周囲に的確に伝える事が出来ませんから、次々求められます。
これが積もり積もると、突然、大爆発してしまいます。
自閉症の子供なら収拾が付かなくなりますし、アスペルガー症候群なら会社を辞めちゃいます。
それも突然。
周りは、全く事態が飲み込めず困り果てますし、本人はもっと困り果て怒りと嘆きは過去の記憶に
ぶつけるしか手立てがありません。さらに困った事に記憶は脳に焼き付いており50年経っても消えません。
どうでしょう。少しは分かりますか? 私も自閉症です。
【自閉症テレビ14】感覚過敏ADHD想像力の障害