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お読み下さるみなさまへ

元々は、都通研で行い好評を博したアクティヴィティでした。

例のスラップ訴訟によって中断を余儀なくされていたものを、ここに復活(復刻)します。
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解説 徹口演1 [2002年自閉症カンファレンス講演会]

自閉症カンファレンス2002 徹口演録1

大きな講堂201会議場が私達の口演にあてがわれました。
私が口頭で発表した話を載せます。何かの参考になれば。(一部追加修正有り)

はじめまして
本来なら抄録にある内容を発表するのが本当なのでしょうが、今日は別な話をしたいと思います。
何故かというと何らかの要因で突発的に発生した自閉症は別ですが、
私達のように、一子相伝 自閉症の宗家ともなると、家族、親類縁者、変なのばっかりです。
特に私の父は、50才でアルツハイマー病の予兆を示し62才で死にました。
私もそろそろ、父の様子が変わってきた年齢に近くなりましたし、実際自覚症状も出てきました。
今、言いたいことを言っておかないと、後悔しますからね。まあこれから口に任せて話しますので、
その中に、皆さんのヒントになるような所があったら、是非利用して下さい。
抄録にある話は大人になってからの具体的なエピソードとして書き起こしましたので
後でじっくり読んで見て下さい。

先ず山岸美代子が話します。
(美代子 口演 1 その壱 えんま大王
        2 その弐 漂流教室
        3 その参 ゴーゴンの呪い
        4 その死 犬神家の一族
        5 その後 ミザリー
        6 その呂久 ランゴリアーズ )    おあとがよろしいようで。

さて
私が初めて「自閉症」を知ったのは、今から34年前。あるテレビ放送を見たときです。
姉2人と母親と見てたんですが、
「この子、トール君みたい」
「ほんとトールそっくり」
「トール君自閉症なんじゃないの」と さんざんからかわれました。

注記:NHKドキュメンタリー「太鼓と少年」昭和43年(1968) 11月22日(金)

   この番組は、私が妻に自閉症の話をする時にいつも引き合いに出す番組でした。その内容は
   ビデオを見るように頭の中に記憶されてますから、毎度頭の中で再生しながら、その様子を
   説明します。例えば、オープニングがデンデン太鼓のカラコロ音を鳴らすアップから始まる事、
   ちょうど同い年ぐらいの男の子の話である事。
   学校には体操服で通学する校区だと言う事。体育帽も被っている事。もろもろ。
   小学5年か6年の時放送した事。見た時に確か一学年下で小学5年生だったような事。

   後日私が鬱でくたばっていた時に、私の話の裏を取るために図書館で昔の新聞のテレビ欄を
   見つけ出し、見事にその番組の放送時間を見つけてきた。

   「ホラ、あったよ見て見て」
   「だから言ってるじゃん。絶対あるって。憶えてるんだもん」

   妻はこの後児童精神科の予約を取り付けたから、妻にとってこのエピソードは一つの目安、
   何かの判断材料だったのかもしれない。


このころすでに、「山岸家のかす犬」と命名されていましたから、
我が家での私のポジションが分かると思います。
とにかく、この自閉症ネタはしばらく続いていました。

注記:からかいネタ
   「トール自閉症」というのは、家族の中で私の事をからうネタであった訳ですが、
   まだ誰も知らない障害、その症例、そして初めてマスコミに登場したその障害児。
   その症状が、第三者の母、姉ふたりが見ても、同じに見えた、感じたのは偶然ではありません。
   特に特徴的だったのは、写真を撮る時に、いくら呼んでもカメラを見てくれない所。

   私も、4,5才迄はシャッターのタイミングに目線を合わせなかったので、幼児の頃の写真は
   微妙に余所を見ています。写真は満4才と3ヶ月。一番小さな子(クリックしてみてね)
兄弟.jpg
   この写真の時も、何度も何度もしつこく呼ばれ、その都度見た記憶とカメラを構えている姿を
   憶えています。

   写真撮影の時、シャッターチャンスを作り出す為に「こっち見て」と言います。
   自閉症の子供は一瞬見てすぐ余所を見てしまいます。「見て」や名前ではダメなんです。
   カナー型でもある程度話が分かる子なら、「合図をするまでじーっとレンズを見続けて
   と言えば、きちんとシャッターが切れるまで見続けてくれると思います。試してみてね




しかし私は、
「この子は重い自閉症だけど、重い自閉症が居るなら、軽い自閉症が居るに違いない」と固く信じ、
私も彼の仲間だと考えていました。

彼女と知り合った頃には、
自分でもびっくりするような失敗談を楽しげに話す彼女の事を、本人に面と向かって
きっと軽い自閉症だと思うよ」と言ってましたが、言われた本人は、
「何をバカなこと言ってるんだろう」ぐらいで、深く気にも止めていなかったようです。

しかし記憶力は抜群なので、何処かにその言葉が引っかかってたんでしょう。
ドナの初版本も、全く自閉症とは無関係に買って本棚にありました。
(ドナ=ドナ・ウィリアムズは2017年4月22日ガンで亡くなったそうだ)
本人曰く「ただ何となく買った」そうです。

注記:
   自称自閉症なんちゃってアスペの人達が絶賛したドナの「自閉症だったわたしへ」と言う本を
   読んだ妻は「世の中にはこんな変な人が居るんだ」と思ったらしい。

   しかし、何か引き寄せられたんだろう。よく読むとそのやってる事がいちいち自分と同じ事に
   気付き、そして本の中でただ一カ所、あとがきに書かれたアスペルガー症候群の単語が
   その後の私たち夫婦の道しるべになったのだ。

   翻訳の河野さんが、文章うますぎてロマンチックな可愛らしい雰囲気が勘違い女子を呼んだの
   かな。




この本は、彼女が会社を解雇されたとき、私が鬱に陥ったとき、人間の謎、自分達の謎を解き明かそう
としたときに、「ああそうだ。こんな本があったんだ」と引っぱり出し、その後の不思議な手がかりを
与えてくれた本になりました。

とにかく、謎の病気 自閉症も 34年前から考えるとずいぶん進歩したようで、
特にこの「マインドブラインドネス」(青土社)は、人工知能のロジックを取り入れていますから
非常に明確で、時間がたっても決して色あせることは無いでしょうね。
この「アヴェロンの野生児」(福村出版)も
IMGP6238.JPG
歴史の中で消えなかった貴重な本でこれと一緒でしょうね。
ホント世の中には偉い人が居ますよね。
日本の本でも、「高機能自閉症・アスペルガー症候群入門」(中央法規)
IMGP6241.JPG
のように、具体的な事例に基づいて書かれた本が出てきたのでいいですね。
マインドブラインドネスの中でも、自閉症はSAMの欠陥によるという部分は、
まさしく私達の行動のすべてに裏付けになるし、
本の中ではその発生の順番から イド SAM TOMM と説明してますが、
私からすれば、SAMの欠陥こそがすべてで、     イド TOMM EDD などは
SAMの欠陥によるものと考えたほうがすべて納得できます。

注記:口演の参加者
   今思えば、この講演会に出席する人はある程度自閉症の事を知っている、SAMの事などは
   当然最低限の知識として持っている人達がお金を払ってわざわざ来ていると完全に思い込んで
   この口演を行った。

   しかし、考えて見れば自閉症の事が分からないので藁をも掴む思いで来た人も多く(殆ど?)
   含んでいる事を全く考えていなかった。

   だから、抄録と口演内容を変えても平気だった。ひどいよね。自閉症なんて難しいのに。
   抄録に落として、それを口演で補うのが本当だったんだな。
   今思うと、私たち夫婦の話は100%分からなかっただろうな。
   だから、今ここでかみ砕きます。SAMについては後々説明します。
   理解力のある人はマインドブラインドネスを読んで下さい。

つづきます・・・

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カンファレンス山岸徹講演心中事件によせて [2002年自閉症カンファレンス講演会]

47.jpg

自閉症カンファレンス2002 徹口演録1

大きな講堂201会議場が私達の口演にあてがわれました。

私が口頭で発表した話を載せます。何かの参考になれば。(一部追加修正有り)



はじめまして


本来なら抄録にある内容を発表するのが本当なのでしょうが、今日は別な話をしたいと思います。

何故かというと何らかの要因で突発的に発生した自閉症は別ですが、
私達のように、一子相伝 自閉症の宗家ともなると、家族、親類縁者、変なのばっかりです。
特に私の父は、50才でアルツハイマー病の予兆を示し62才で死にました。

私もそろそろ、父の様子が変わってきた年齢に近くなりましたし、実際自覚症状も出てきました。
今、言いたいことを言っておかないと、後悔しますからね。まあこれから口に任せて話しますので、
その中に、皆さんのヒントになるような所があったら、是非利用して下さい。

抄録にある話は大人になってからの具体的なエピソードとして書き起こしましたので
後でじっくり読んで見て下さい。


美代子に続いて私山岸徹が話します





                              

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解説 ランゴリアーズ [2002年自閉症カンファレンス講演会]

学校の怪談
その呂久 ランゴリアーズ

英語学校にミス・ミラーというそれは厳しいアメリカ人の教師がいた。
日本の学生は怠け者、が口癖だったが、男子学生には比較的甘かった。
私は二年生のとき彼女の選択クラスを取った。

週一回わずか20人足らずのにんきのない講座で、
机をコの字に並べ替え、あらかじめ決めてあったトピックスを話し合う。
ミス・ミラーはコの字の切れめに座っていて、気が向けは、ハウバウチュウ?
と生徒ににこやかに質問する。
といった気楽な授業だった。

ハウバウチュウ?
ある時指名されたので私が答え始めると、ミス・ミラーのにこやかだった表情がみるみるゆがみ、
それは恐ろしい表情になった。
フンッと鼻息と共に立ち上がると、コの字を突っ切り、私の前に来てこう言った。
「どうして私が`ミス・スズキ’に質問すると、いつも`あなた’が答えるんですか!」
もちろん英語である。
ミス・スズキというのはいつも私の隣に座っている仲良しである。
訳がわからず、体中の血が地面に吸い込まれる感覚で、私は「いつも・・・ですか?」と言った。
もちろん英語である。
これは単なるオウム返しであったが、火にあぶらを注いだ。
ミス・ミラーはよくぞ言った、とばかりに、
「そう、`いつも’です。
でも`今日’はあなたに聞きたいんじゃありませんからね。
ミス・スズキに聞きたいのです。なぜなら・・・ぺらぺらぺら」
   もちろん英語である。
その口調は腹に据えかねて、とか堪忍袋の緒が切れた、という感じだったが、
私はミス・ミラーのヒステリーだと思った

注記:予想外のリアクション
   私たちは時として、突発的と言うか、周りの人が仰天するというか、そんな場面に出くわす。

   「人の気持ちを考えなさい」「相手の身にもなってみなさい」「相手の気持ちになりなさい」
   強く強く、毎日毎日仕込まれた私は、SAMの障害からできないのにも関わらず、母親に
   要求され続けてきた。

   それでも、突発的なリアクションに遭遇してしまう。まあ自分で原因を作っているんだけどね。

   その場合、ソコに至る原因、要因、手順、状況、ありとあらゆる事を考える。
   ところが、自閉症だから分かる訳が無いんだが、答えが出るまで考える。

   答えが出ない「相手の心」の問題を無理矢理考えているんだから「鬱」になる。
   こうして強固な鬱体質が出来上がった。
   出来ない事をやらされたのはこの子も同じ読んで見て。



   一方、妻はその私たちの「理解の範疇の外」の事を無理に理解しようとせず、
   「ヒステリー」の一言で片付けている。無駄に考える時間を使わない。
   これは精神的に健康でいられる、無意識に手に入れたテクニックだ。

   見習いたいけどすでに壊れている私には、今さら獲得出来ない技術だ。



ミス・ミラーは言うだけ言うとミス・スズキに向き直り、同じ質問を繰り返したが、
無理に作った笑顔はすさまじいものだった。
ミス・スズキは質問に答え、授業は何事もなかったかのように進んだ。
      ランゴリアーズ
20160818231637.jpg


英語学校在学当時の私の視力は両眼とも裸眼で1.5でした。
私が人の視線の向きが読めない、ということは主人に指摘され初めてわかりました。
43才の時です。

注記:視線が読めない (指さしが分からない)

   「ホラ あの人見てごらん」「ちょっと あそこ見てみて」
   言っても
   「あぁ 」「ふーん」「あっそうなんだ」となんともはりあいの無い返事を繰り返す妻。

   しかし、一緒にいればその指す所が分かっておらず、そのわからなさを説明するのが面倒なので
   適当な生返事をしているのが分かってくる。

   そしてその原因が、人の目線を追う事が出来ない、指さしの意味が分かっていない。
   さらにモノを立体視していない事が各種実験で判明した。


   では同じ自閉症の私はどうか。

   私の場合は、5~6才の頃家族兄弟の中で暮らす内に、指差す先が分からないと非常に不便な
   事が多かった。
   そこで、指を指すと言う事が、目線と指(腕全体)の指す方向の交差点で示す事を理解し、
   以来人の目線と腕の三角法で対象物を見出し、実際間違った事は無い。


   同じ自閉症なのに全く違う表出。

   だから、「自閉症は××でなので、○○でやってやれば理解出来るのです」なーんていう療育を、
   ニセモノだと言うんだ。


   自閉症はそれ程複雑で困難な障害なのだ。



これらのエピソードの前後にも、カテゴリーごとにごっそり並んでいて壮観です。
最近はあまりありませんが、それはほとんど外に出ないし、人と接触しない為です。
おあとがよろしいようで。

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解説 ミザリー [2002年自閉症カンファレンス講演会]

学校の怪談
その後 ミザリー

都立高校一年の春、保健室。

漢文の時間に急に気分が悪くなった。
教師に申し出ると、保健室に行くようにと、お供をひとり指名してくれた。
保健室には保健婦ともうひとり、
多分女性教師がいたが、入学したてで誰なのかわからなかった。
二つ並んだベッドにやっと滑り込むと、友人は帰って行った。
ベッドに寝ている私に、白衣の保健婦が大きな声で容赦なく調書を取る。
「で何先生の何の授業?」
私と主人は、小学校のときから授業中気分が悪くて保健室に行くたびに、
「朝ご飯食べてこなかったでしょ」と決めつけられ
「まったく近頃の子は体を鍛えないから」と保健婦に散々いじめられ、トラウマになっている。

緊張のあまり頭がフリーズし、覚えていたはずの漢文の教師の名前が、いくら考えても思い出せない。
「えーっとえーっと」と言うと、
「まああきれた。たった今受けていた授業なのに先生の名前も知らないの」と大げさに言い、
するともうひとりが「あらまあ、先生の名前も覚えてないの」と同調、
ふたりの女は「ほんと近頃の学生はねえ、先生の名前も覚えてないで授業を受けてるんだから」
とこぼし合い、笑いあった。

注記:保健婦(正式には養護教諭?)
   私は横浜で三ツ沢南小学校、大阪で香里第四小学校、札幌で手稲中央小学校、手稲中学、
   青森で古川中学と通ったが、気分が悪く保健室へ行くと保健室の主、保健婦だか養護教諭だかの
   女は必ず


   「あらーあなた朝ご飯たべて来なかったんでしょう。私たちが子供の頃は野原を駆け回り元気に
   したモノだけど、今の子供たちはねぇ」

   不思議な事に、日本全国どこへ行っても、一字一句違わず言われる。



   日本の全国均質な教育は恐ろしいほど行き届いており、全く同じ文言を言われる。
   文部省でお達しでもが出ていたのだろうか。それも一字一句違わない恐ろしさ。教育勅語か?

   それともこれは、何かその教育効果を持って行われていたのだろうか。



   例えば気分が悪い子供に対して、さらに気分の悪い言葉を浴びせる事で、
   「ああ、こんな気分の悪い時に、なんて嫌な事を言うんだろう。僕はこれから毎日野山を走り
   体を鍛え、二度と気分が悪くならない身体になろう」と考え実践する様になるのか。

   大体一度として朝飯を食わなかった事なんか無いし、朝飯食ってない同級生も見た事無いし。


   同じ時、東京文京区に住んでいた妻も全く同じ目にあっていて。
   「その野山は一体どこへ行ったんだ。歩いて何処かへ消えたのか」と、思っていたそうな。



   ところが中には学校へ行きたい。しかし教室へは行けない。そこで保健室登校をすると言う。



   ここまで行くと私たちにはシュールすぎて理解の範囲を超え別の世界の話だ。

   まず学校なんか行きたくない。毎日行きたくないし運動会だって遠足だって修学旅行だって
   「ウキウキ」もしないし「ワクワク」もしない。
   行くのは義務だ。何か知らないが行く事に決まっているから行くだけだ。

   勉強は嫌いだけど学校は好き?

   逆だろう。勉強が嫌いなのになんで学校へ行きたいんだ?そりゃ変だよ。
   決まってるから仕方ないけど。



   行きたくも無い学校へ行ってしまったら、別に教室も保健室も一緒だろう。
   教室が嫌で保健室ならいいって話になるとさらにワケワカンネー。



まだ気分は悪かったが、15才の私は早々に保健室を退出した。
こんな私たちにとって、保健室通学というもの、想像すらできない。

    ミザリー
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解説 犬神家の一族 [2002年自閉症カンファレンス講演会]

学校の怪談
その死 犬神家の一族

中一の三学期

三点倒立の実技試験であった。
球技がまったくダメな私が点数を稼げるのはマット運動ぐらいだから必死だ。
授業中にマスターできなかった私は、夜毎ふとんの上で、
母親にモニターしてもらい、頭頂部がへこむかと思われるほどの練習を重ね、
やっとのことでコツを掴み、試験に臨んだのだった。
試験は長いマットの上に、出席番号順に並ぶだけ並ばされ、笛の合図で一斉に倒立する。
私は最初のグループだったが、もちろん猛練習の甲斐あって楽々クリア。

しかし・・・・・・いくらたっても「やめっ!」の笛が聞こえない。
頭に血が昇る、マットはふとんほど柔らかくないので頭頂部は痛む。
いったいいつまでさせるんだろう、おかしい、と思った瞬間、
体育館にあのなじみの不気味な静寂が・・・・・

(あっ、やめっの合図なしなんだ)、私はパッと倒立をやめた。
ところが・・・・目に入ったのは逆さになった足、足、足、・・・みんなは延々と倒立し続けていた。
マットの真ん中であぐらをかいていた教師は、
「誰だっ!勝手にやめるやつは!」と怒鳴りながら立ち上がり、
「おいっ誰がやめろと言った!あっ、この野郎、おまえか
私はもう一度倒立しようとしたのだが、
「やらなくていいっ。そんな態度の悪いやつにはもう点数はやらないっ!」
と、またまたえんま帳に付けられる。
その学期の体育は本当に1だった。

注記:目の上のたんこぶ

   ネットや書籍上の自称発達障害の人達には全員必ず「気に掛けてくれた先生」がいる。

   私達夫婦も子供時代「先生が気に掛ける生徒」だったのだが、ニュアンスは全く違う。
   気に掛けると言うより気に障る、つまり「目を付けられた」が正確な所だろう。


   妻のこのエピソードを繰り返し繰り返し聞いている内に、意図が読めない私でもこの体育教師
   中島悟の意図は何となく分かってきた。(私も同じ様な体験をしてるからね)

   これも現役教師のコメントを聞きたいモノだ。我こそという方どうぞ。


   私の現在の解釈としてはこうだ。
   教師は成績を付けなければいけない。当時は特に1はクラスに二人必ず必要だと言われていた。
   授業中から目星を付けテストに臨む。
   実際やってみると、目星を付けた生徒が意外に出来ている。さて困った。
   生徒に「出来ればOK」とは言ったが急遽耐久テストへ変更だ。

   まってもまってもなかなか落伍しない。おっ、やっと一人。案の定コイツか。丁度良かった。
   殊更大げさに騒いでおくか「コラッ!やっぱりオマエか!」しめしめ、上手く行った。
   

犬神家の一族
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解説 ゴーゴンの呪い [2002年自閉症カンファレンス講演会]

学校の怪談
その参 ゴーゴンの呪い

中一の二学期の中間試験(応用が利かない)
試験官は担任の美術教師だった。
夏休み明けの席替えで、あみだくじにはずれた私の席は、教壇の真ん前である。
やがて目の前に人数分のプリントの束が置かれ、一枚取って後ろへと回す。
「えーっと、まだ早いので用紙は伏せておいて下さい」言いつつ教師が教壇に戻る。

私はプリントを裏返し、手を膝に置き、「始めっ」の合図を待つ。
合図を見逃すまいと美術教師の顔をじっと伺う。
向こうもこちらを見ているが、何の表情もない。
この美術教師は入学式直後のホームルームで、
黒板の上に飾ってある「根性」の額を見て鬼瓦のような顔になり
「俺は根性という言葉が大嫌いだ。はずせっ!」と生徒に命令した教師である。
そんな教師が至近距離で無言、無表情でいるのは不気味だ

見つめる、見つめ返す、見つめる、見つめ返す。
その距離1メートル弱。しかしいくら待っても「始め」の合図はない。

注記:
   「目を合わせないから発達障害」これは一時期大いに宣伝された事で、これを根拠に発達障害が
   爆発的に増殖した。
   どうも、統合失調症の患者グループが統合失調症を嫌って発達障害にすり替えよう、
   統合失調症という呼び名を消し去ろう、とした様だ。
   同時に、幻聴が聞こえる発達障害、幻覚がある発達障害と言う話まで蔓延していた。
   発達障害なら生まれつきの障害だから良い、統合失調症は自分のせいだから悪いと思うらしい。


   自閉症の特にカナー型の場合、なぜ目を合わせてくれないかと言うと、目を見る必要性を
   感じていないからだ。
   名前を呼ばれても聞こえているんだから目を見る必要はない
   ところが、「カラコロ」というデンデン太鼓の音は、「あれっ?」と気になるから見る。

   自分の名前は聞こえているし、自分の名前と分かり切っているから見る必要はないが、
   デンデン太鼓の音は気になる(不思議)から見るのだ。これ重要。

   ある程度知能が高い自閉症、つまり私の場合、4才と3ヶ月位まではカナー型の子供と同じ態度
   で、名前を呼ばれても一瞬見て「なんだ用は無いんだ」と手元に目を戻す。
   だから、その頃までの写真はレンズを見ていない。

   しかし、成長と共に知識として相手がカメラを持っているときはカメラを見る。と学習する。

   私達自閉症は、知能が低くても高くても根本的根源的本能として目でコミュニケーションを
   取る能力が欠けている。だからこその自閉症なのである。

   ではどうしているか。すべて学習して獲得するしかない。カナー型の子は知能なりに。
   知能が高ければ、そのシチュエーション、相手の口調、相手の顔色(本当の顔の色)
   つまり、真っ青だったり、真っ赤だったり。

   日常生活では、「人の話を聞くときは目を見る」とか色々仕込まれる。

   だから、自閉症の子は目を見ない、は、相手が気付くまで見続けないと言うだけだ。

   さて、カナー型の子は別として、何かと人の目を見なければいけないと強要され続けている
   私達は、常に人の目を見る。(統合失調症になると人の目が怖くなるらしい)

   この人の目を見ると言うのが実はくせモノで、トラブルの原因になる。

   女の子が人の目をじっと見る。日頃人の目を見なさいと言われているから尚更だ。
   じっと見る。相手が男の子なら「俺の事好きなのか」と勘違いする。
   じっと見る。相手が変質者なら「あの子ならてなづけられそうだ」と勘違いする。
   男の子が人の目をじっと見る。相手が女の子なら「○○君××さんの事好きなんだよ」と噂される。
   男の子が人の目をじっと見る。「テメー、誰にガン付けてんだよ」と因縁を付けられる。


   自閉症の子供を持つと「目を合わせてくれない」と言うのが親として先ず悩むらしいが、
   ちゃんと見てるのは間違い無い。ただ、目を移すのがあまりに早くてお母さんが気付かない
   だけだ。

   そして自閉症には、「不適切な視線」という特徴がある事も覚えて貰いたい。
   目を合わせないのが自閉症では無く、見続け過ぎるのも自閉症の大きな特徴なのである。


   じっと見ているのでは無い。相手がじっと見るからいつ目を離すのか見ているだけだ。

   本来「ヒト」と「ヒト」が見合えば、言葉に表れない言語(メタ言語)でなんらかの応答が
   あるのだろうが、
   私達は純粋に「見る」ひたすら見る。何か意味が飛び出して来るまで「見る」しか出来ないのだ。


遅い、遅すぎる!プリントが配られてからかれこれ三十分ではないか。
すると辺りにはまたもやあの不気味な静けさが・・・。
あっ、もしや試験は合図無しで始まっているのか?
ついにたまりかね、隣は櫻井さんで懲りたので、肩越しに後ろの席の子に、
「ねえ、始めていいの」、
「始めていいって・・・何を」試験中に話しかけられ困惑した声。
このやりとりを真っ正面で見ながらも、無言無表情の担任教師。
やはり試験は始まっていた。
きゃぁぁぁぁ、
声にならない叫びとともに私はプリントをっひっくり返し、
がくがくする手で鉛筆の芯をバキバキ折りながら、
何とか答えを書き込もうと無駄な努力をするのだった。
因果は巡る。それから10年の後。
二十一才の私はガラガラの都営バスで、この美術教師と向かい合わせになった。
見つめる、見つめ返す、見つめる、見つめ返す・・・・・・・
都営バスとベンチシートの向こうとこちらで、その距離数メートル。
これぞまさしくゴーゴンの呪い
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