出来てる指差し [見る]
ほらあれ、あれ。
妻が指差した通りを見たとすれば空になります。
だから、今まで多くの友達は「・・ああ・・そう」と適当な相づちを打っていたのでしょう。
妻も指差しをしても誰も分かる人が居ないから「たまたま気付かなかったんだ」と考えていたフシが
あります。
それで、妻★は何の疑問も持たず齢を取ったのですが、ある日突然、大発見をしたかの様に部屋に
飛び込んできました。
★「ねえねえ、自閉症って指差しが出来ないんだって。知ってた?」
◎「知ってるよ。」
★「ホント?ホントに知ってる?指差し出来ないのに知ってるの?」
★「知らないのに、知ってるフリしてるんじゃないの?」
◎「何言ってるんだよ。知ってるよ。」
◎「知ってるし、オレは出来るモン。出来ないのはヒヨコだよ」
★「えー!ウソーーー。ひよこ指差し出来るよ!知らないのー!」
実際には、遠慮と気遣いで成立していた指差しによるコミュニケーション。
本人はずっと指差しによるコミュニケーションが成立していたと思い込んでいたのです。
【自閉症テレビ20】幾つある?自閉症のタイプ
指差しとSAM [見る]
妻本人はずっと指差しによるコミュニケーションが成立していたと思い込んでいたのです。
それから、妻が考える指差し。私が考える指差し。指差しとはどう言う事か。普通は幼児でさえ
無意識に出来るという事実。妻の指差しがいかに他の人に理解されないかと言う実例。
妻の指差しよりも私の指差しの方が他人に理解される事。
マインドブラインドネスの理論をも含みながら、自閉症児が指差しをしない事。
なぜ私が自閉症なのに指差しが出来るのか。共同注視とはどう言う事か。つまり、行き着くところは
SAMを獲得出来ていないからなのか。
「やっぱりSAMなんだよー」指差しをネタに相当な時間を費やし論議を重ねました。
【自閉症テレビ25】自閉症サンプル
ゆびさしのはじめ [見る]
「やっぱりSAMなんだよー」
半信半疑ながら、私の指差しの理論?に納得した妻。
それから、指差し講座がたびたび開かれる様になりました。
基本は私が導き出した、指差しの理論。理論と言うより簡単な理屈ですが、
大多数に通用するのでこれで大まかな所は間違い無いでしょう。
妻の指差しで一番違うところは、指差しの指と腕の使い方。
先ず指、目の前にある画像を人差し指の腹で押さえていたので、常に指は上を向いています。
腕も画像を押さえやすく肘が曲がっていたので、腕をまっすぐ伸ばす事、そしてそれに沿う様に
指を指す事。
先ずここから始めました。
【自閉症テレビ18】自閉症と自閉症の会話
ゆびさしごっこ [見る]
さて理屈で言ってもなかなか出来ません。
そこで、先ずは細く1メートルぐらいの棒を用意。その細長い棒を手で掴み、人差し指を伸ばして
人差し指の腹を棒に沿わせます。
このまま、指差ししたいモノを棒で指し示します。
「えー!こんな方向にあるのーー!」
「おかしいよー。こっちじゃないのーー」
「変だよ-。ホントにこっち?こっちで正しい?」
どうも空間の立体感覚も、腕の向きと大分違う様で、自分自身が如何に指差しが出来なかったか
実感出来たようでした。
この実験の最中に、面白い事が分かりました。
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見ないゆびさし [見る]
指差しゲームでおおよその理屈と雰囲気は体感出来ましたが、実際に使いこなせる迄にはなりません。
覚悟を決めて狙いを済まし、相手の反応に目を凝らしながらやる指差しはまあなんとか使えますが、
やはり生まれつき無い能力なので、もう50を過ぎた年齢になってから憶えても日常使いこなす
ツールにまではなりませんでした。
指差しゲームをしている時に、妻★が突然目をつぶって、指差しを始めました。
★「どお?合ってる?」
◎「合ってる合ってる」
★「次は?」
◎「合ってる合ってる」
★「これは?」
◎「合ってる合ってる。なんで合うんだ?」
★「指差し出来るんだよ。ねー出来るでしょ?」
★「へへ・目をつぶると出来るんだよ。凄いでしょ」
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どうして? [見る]
★「へへ・目をつぶると出来るんだよ。凄いでしょ」
◎「凄い凄い、これは凄い話だよ」
私たちの日常の話の積み重ねと、日々考え続ける事はマインドブラインドネスの理論の再確認でも
あり、また自閉症の再発見でもありますから、それこそが喜びです。
以前は、多くの仲間が集まってきて、それぞれの体験或いは別の感じ方を持ち寄ってくれましたから、
さらに深みのある検証になり喜びを分かち合っていました。何故か
辻井先生からすると思い込みの妄想の中傷の全部デタラメと言う事。本当に不思議な話です。
その貴重なブログは表示停止になってしまって今はありません。
さて、あの全然指差しが出来ない、変な指差しをする妻が突然指差しが出来る様になりました。
何故でしょう。
【自閉症テレビ18】自閉症と自閉症の会話
ほかの人のため [見る]
私たち夫婦にしてみればもの凄い大発見でした。
普通の指差しというのは、SAMの存在無くして出来ない高度な作業です。
3才児でもやすやすと出来ますが、自閉症は妻の様にIQが129あっても、練習しても上手く出来ません。
そして1人で居る時に指差しはしません。必要無いからね。
指差しは第三者が居るからこそ必要なのです。
【自閉症テレビ18】自閉症と自閉症の会話